要約:キチガイは病院に突っ込んでおけ
と言うツイートが流れてきました。
つぶやきの引用は有料らしいので、原文を見たい方は当該アカウントからどうぞ。
で、ここで言うキチガイってのは多分、ある程度他人に攻撃的な行動を取る人間と仮定します。
恐らくは前提としているのは被害妄想系の統合失調症だと思いますが、以前自分自身が今で言えばアスペ(型と思われる)人間にひどく攻撃的な言葉を執拗にぶつけられたこともあります。
なので、ここで一旦、「キチガイ」を
暴力的な言動により、平均的な組織(極端なブラック企業や底辺校ではない)で人間関係を維持できない人間
と仮定します。
理由は精神疾患や知的障害、薬物、アルコール中毒などいろいろな可能性があるのでここでは定義しません。
さて、そんなキチガイを病院に突っ込んでおけと言うのが正しいのか?
もしそんな法制度ができたとして発生しそうな問題点を上げてみると、
・キチガイを犯罪者予備軍として扱うこと自体の差別
・それらが法制化されることで、いわば差別に国が「お墨付き」を与える
・キチガイの定義に引っかからない、軽い精神疾患や知的障害、発達障害に対する差別や退避感情が強くなる
有名な心理実験で、支配者と被支配者を制度で分けると、それぞれが与えられた役割を果たすようになるってあれです。
キチガイを健常者によるコントロールが必要な存在と「法」が定義してしまうと、社会は「支配者たる健常者と被支配者たるキチガイ」に変わっていく可能性が高いのではないでしょうか。
そうして社会にそのような風潮になると、社会の空気に流されてよく分からないまま差別に加担する人も増えるでしょう。
よくあるあれです。「クラスの皆がやってたから自分もいっしょにやった。それをいじめだとは思わなかった」って奴です。
本来は適切な医師の管理下で社会参加できるはずの人達に対して、社会が「なんとなく」で門戸を閉ざす方向に働く可能性はあると思います。
・該当患者による重大犯罪が起きた際、入院措置を取らなかった医者に対しる社会的抹殺がマスコミによって行われる
・社会的抹殺への防衛策として、医者が投薬でのコントロールが可能な患者まで拘束入院させる過剰反応を引き起こす
・「危ない奴は片っ端から病院にぶち込む」ことで医師の負荷とリスクが増大。
・リスクや負担増を嫌って精神科医志望者が減り、現在の精神科医の負担が激増し、適切な患者の管理ができなくなる
マスコミによる社会的抹殺は今でも起こってるので説明不要でしょう。
リスクの増大とリスク退避による医師数の減少と負担過剰。
それによる医療の質の低下は小児科や産婦人科で現在起こっている訳で、同じ構図になれば同じ現象も起こるでしょう。
それによって本来はコントロール可能であった患者が、コントロール不能なキチガイとなり、犯罪を犯すならまだマシな方だと思います。
過酷な労働環境で健常者が壊れ、相模原障害者施設殺傷事件のような凄惨な事件が起こる可能性すらあります。
素人考えでもざっとこれくらいのリスクが思いつくので、実際にはもっと色々なリスクがあることでしょう。
危ない奴は病院に突っ込んでおけと言うのはあまりに短絡的な考えとしか思えません。
ところで
件の発言主ですが、オーバーフローの代表者だそうです。
オーバーフローと言えば、あれです。SchoolDaysの製作ブランドです。
登場人物がキチガイじみた行動を取ることで有名なゲームで、アニメは全ての最悪をぶち込み、リメイクとなるHQにグモッチュイーーンEDを追加するキチガイブランドです。
キチガイを病院に突っ込めと言うなら、とりあえず自社製作タイトルのキチガイ共を病院に突っ込むEDを作って規範を示してみてはいかがでしょうか。